オタク(元)弁護士の雑記帖

オタク弁護士だったけど弁護士を辞めてただのオタクになった人のブログ。

クラウドソーシングも日本で独自進化を遂げるのか

ここ数日、クラウドワークスやランサーズなどを中心とするクラウドソーシングに関する記事をよく見かける。

大きく分けて、議論は、

  • クラウドソーシングで生計を立てるなんて無理だし、取引価格もおかしい
  • むしろクラウドソーシングで収入を得られる枠組み自体が評価されるべき

の2つに分けられると思う。

ちなみに、最初にみたのはこちらのtweetがきっかけ。

 

クラウドソーシングの報酬は果たして低いのか

クラウドソーシングが導入されると、就業先に常駐する必要がなくなる。

それが何を意味するかというと、「仕事だけをする時間」から人が解放されるということが一番大きい。

通常、就業先において仕事を行うとき、当然ながら仕事以外のことはできない。

ちょっと仕事の手を休めて夕飯の支度をするとか、子どもを保育園に迎えに行くとか、昼どらを見て休憩するとか、そういうタスクの間の「スキマ時間」を使うことができない。

しかし、クラウドソーシングの最大の利点は「場所を選ばない」ことであり、これがまさに「スキマ時間だったら仕事ができる」という人にフィットしている。

 

逆に、クラウドソーシングの弱点は、「振った仕事しかやってもらえない」ことや、「対面でのコミュニケーションが原則取れない」、「柔軟な微調整や調整スピードにが困難である」ということだろう。

そのような「場所に縛り付けているからこそできる対応」を捨象している分、報酬が就業先での仕事よりも報酬が減額されるとしても、さほど不合理ではないように思う。

実際に納品される商品が完璧であれば、そのような調整対応は必要ないのかもしれないが、実際に必要になった時の保険料的な意味合いで報酬が上乗せされている(その分労働者の時間を融通が利かない形で縛っている)と考えれば、実はそれぞれの労働の価値に見合っているのではないかと思う。

 

日本版クラウドソーシングが内職的に発展する未来

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他の方も取り上げていた通り、キンコン西野さんが言及していた、

在宅ワーカーさんには“在宅する理由”や“在宅しなければならない理由”があるわけだ。

たとえば、パパを会社に、子供を幼稚園に送り出して、
家事のあれやこれを済ませて、
晩御飯の買い物に行って、
子供を迎えに行って、
風呂を沸かせて、晩御飯を作って、
パパの帰りを待って…

とても会社勤めはできないけれど、その僅かな隙間の時間を使って「仕事をしたいなぁ」と考える人もいる。

というのは、その通りだと思う。

クラウドワークスの登録数80万人の中には、そういう“実働時間の短い人達”が山ほどいるのに、「月収20万円以上稼いでいるのは僅か…」って、そんなの、あたりめーじゃん。

というのも報酬の差異が生じる一つの原因だと思うけれど、僕はそれ以上に、クラウドワーキングと常駐勤務の仕事の市場価値自体が、どうしても異なることから来ているのだと思う。 

それは、「通勤しないでカンピューテーをパチパチやって楽な仕事しやがって!」という意味ではなく、やはりどうしても対面で常駐してやる仕事のほうが、早くいいものを作れるというのが、ほとんど職種を問わずに一般論としてあてはまるからだ。

いいサービスには、相応の値段がつく。

クラウドワーキングは、働き方と発注の仕方を「変える」のではなく、「拡げる」効果をもたらした。

 

これまでボールペンづくりなどだけだった内職業界に、新たな職種を提供したのだと考えると、日本でクラウドソーシングがどのように発展していくかが見えるような気がする。

 

クラウドワーカーも要するに「個人事業主」であるということ

クラウドワーキングのみで生計を立てられる人が少ない。

それは当たり前のことだと思う。

クラウドワーキングも、個人事業主だ。

弁護士などの士業も多くがそうなのだが、個人事業主というのは結局、「100の夜もあれば、ゼロの夜もある(イケボ)」仕事である。

生活が安定しないのは当然である。

 

おまけに、パソコン一つあればできるので、参入障壁は圧倒的に低い。

市場が拡大して需要も供給も増えれば、そのうちクラウドソーシング大価格競争時代を迎えることになるかもしれない。

 

「やっぱり正社員がNo.1!」と断ずるべきかは別として、クラウドワーキングで生計を立てるということが、そのような市場に自分という事業主を置くことであることなのは今も昔もきっとこれからも変わらない。

 

ましてや、まだまだクラウドソーシング市場は導入期から成長期をやっと差し掛かってこようとしたところだろう。

市場自体が大きくない中で、このサービスで生計を立てる人が出始めているという現状は、むしろすごいことだと思う。

 

このようなクラウドワーキングを取り巻く市場環境を考えれば、「スキマ時間を使って収入を増やしたい」という層にフィットするのは当然だし、クラウドワーキングで生計を立てる人がまだ少ないといっても驚くべきことではないと思う。

 

ちなみにどうでもいい話だが、僕はクラウドワークスよりもランサーズ派だ。

サイトが見やすくて、頼みたい仕事をやっている人が多くて、あとマスコットがかわいいから。