オタク(元)弁護士の雑記帖

オタク弁護士だったけど弁護士を辞めてただのオタクになった人のブログ。

「会社の犬になるな」はデキル人間の論理という話。

こちらの記事を読んで思ったこと。

dennou-kurage.hatenablog.com

僕自身は、日野さんの本を読んだりしているし、ブログもずっと読んでいていて、この方の考え方には共感するところが多い。

実際に自分でも実践させて頂いたこともある。

 

ただ、今回の記事を読んで思ったのは、(語弊を恐れずいえば)「能力がある人の生き方」と「能力がない人の生き方」は違うということを前提に考える必要があるということである。

 

たしかに、長く続いた企業はなかなか潰れないかもしれない。しかし、企業自体が潰れないからと言って、自分がずっとそこにいられるとは思わないほうがいい。長く存続している企業は、時代の変化に応じて柔軟に主力ビジネスを変化させられる企業だ。その変化にうまく適応できない限り、会社が存続しても社員ではいられなくなる可能性はある 

(中略)

キャリアを考える上で最近大切だと思うのは、選択肢を多く確保しておき、自分の意志で行動できる余地をつねに持っておくということだ。

 

たとえば、この記述はまさにその通りで、会社に振りまわれない生き方ができるのであれば、それをしたほうが人生の選択肢は増える。

また、会社に残ることを前提に人生設計をする(この記事では「しがみつく」と表現されている)ことは、人生において会社側の都合が変わってしまった時のリスクヘッジをしていないことになるので、必ずしも安全に、幸せになれる可能性が保証されているとはいえない。

就職ではなく「就社」すれば、キャリアが保証されていた時代はすでに終わっている。

そのことは少なくとも間違いない。

 

「能力がある側の論理」と「外で通用するスキル」

しかし、たとえば20代、30代で、スキルを身につけて会社を出て、他の会社で通用し、必要とされる人がどのくらいの割合いるのかということを無視してはならないと僕は思う。

転職をする場合、20代、30代は多くのケースで年収が上がる。

それは、過去の経験を買われて転職することができるからであり、そうでない人は転職せずに元の会社にとどまるケースが多いからだと仮定できる。

すなわち、その時点ですでに人材市場から必要とされる人と必要とされない人が生まれていることになる。

40代以上なら言わずもがなである。

 

「会社に飼いならされてはいけない」、「会社に人生をゆだねてはいけない」というのは、あくまで会社の外に出ても通用する人の論理なのだと僕は思う。

僕自身は、今回の転職をして、自分でもできすぎだと思うくらいの評価をしてもらった。

嫌味のように聞こえることを恐れずに言えば、それは僕自身がこれまで培ってきたスキルやキャリアの方向性が間違っていなかったからなのだと思う。

(※その分、自分らしい生き方というのを犠牲にしてきたという反省もあるが、それは別の話なので今回は踏み込まない)

 

話を戻すと、「外で通用するスキルがあれば、退職金や会社の安定性にしがみつくことは愚策でしかない!」という考え方は、一部の「能力がある人」にしか適用されない論理であると思うのだ。

 

会社員にとっての2つの生き方

僕は、会社員の生き方は2つに分けられると考えていて、

①会社の外でも通用するスキルを身につけて、会社に振り回されない生き方

②より安全な会社をファーストキャリアで見つけて、そこにずっといる生き方

の2つのうち、「自分はどちらのミッションを選択したほうが安全な人生を送れる可能性が大きいか」の選択が一番重要なのだと思う。

 

実際のところ、頑張ってキャリアを身につけようとしても、成果が上がる人と上がらない人というのがいる。

成果が上がらない人は、下手に中途半端なスキルだけ身につけて外の世界に飛び出て、「あなたなんかいらないよ」と言われて路頭に迷うよりは、安全そうな会社に「しがみつく」という選択をしたほうが、相対的に安全な人生を生きられる可能性が高いことだってあると思うのだ。

会社に縛られないように生きようと、自分なりにスキルを身につけて会社を出てみたものの、あまり必要としてもらえずに、「結局は退職金目当てで会社に残ったほうが生涯年収が結果的に高かった」ということも十分に考えられる。

ようは、可能性の問題である。

 

「努力したら社会に通用する能力が相応に身に着く」という素養の差異が、先天的なものなのか、学生時代で決まるものなのか、若手時代に決まるものなのかは分からないが、自分の素養に合った、より安全なほうを選択するというのが、幸せに生きるための重要な方策であると僕は思う。

 

「しがみつく」が相対的に見て安全であることもあるのだという考えを書きたくて、この記事を書いた。

大切なことは、自己分析と、自分の市場価値を分析することで、まさに「己を知り、敵を知れば・・・」というやつであると思う。